こんにちは。夢の宮へようこそ。
管理人のEki-MAJOです。
クリスマスですね。ま、(神道の)私には関係ないんですが。
しかし、キリスト教なかりせば、生まれなかったものは大きいなぁ、と改めて思います。
ちなみに私はカトリックもプロテスタントも大嫌いですが。
理由は、真のキリストの教えを歪めたから。
現キリスト教は壮大な『洗脳装置』と言って差し支えない。
だってイエス・キリストはセム族で今のアラブ人的な容貌のはず。(マリアも黒髪に黒い目のはず)
ところが絵画では、イエスもマリアも金髪に青い目と何故かコーカソイド(白人)になっている。
最後の晩餐 (レオナルド・ダ・ヴィンチ画)
天才芸術家のアートを使って洗脳するんだから、卑怯だよなぁとしか思えない。
でも、ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ラファエロの芸術の素晴らしさを否定できない。
もし、こういう芸術がなかりせば、この世は何と味気ないことか。
音楽もバッハの教会音楽はプロテスタントの信仰がなければ生まれなかった。
そして、キリスト教がなければ生まれなかったものがカストラート(去勢歌手)です。
女性は教会の中では声を出してはならなかった。なので、讃美歌を歌うのは少年。しかし、少年はすぐに声変わりしてしまう。
そこで、声変わり前に去勢して声を長持ちさせようと・・・そこまでするかぁ?!
人間の美に対する情熱は、こういう方向にも行っちゃうんだなぁ。(呆れ)
(20世紀初めまで、カストラートは実在していました)
でも、男性の高い声って実に魅力的なんだよな。
「私を泣かせて下さい」(ヘンデル作曲 歌劇『リナルド』より)
これは映画『カストラート』(監督:ジェラール・コルビオ 1994年)のクライマックシーン。
実在のカストラート、ファリネッリ(カルロ・ブロスキ)を描いた映画。
今はもう実在しないカストラートの歌声は、男声(カウンターテナー、デレク・リー・レイギン)と女声(ソプラノ、エヴァ・マラス=ゴドレフスカ)の声を合成(!)して再現した。
男の声でもなく、女の声でもなく、子供の声でもなく、そのすべてであったというカストラートの天使の歌声。
ファリネッリ(本名:カルロ・ブロスキ)
ファリネッリは3オクターブ半の声域を誇り、一気に250の音を続けて歌うことが出来、また息継ぎなしに一つの音を一分間以上歌うことが出来たといわれる。
その天使の歌声と超絶技巧に、人々は映画のように夢中になり、「神も唯一、ファリネッリも唯一人!」と讃えたのは史実です。
(カウンターテナーの米良良一さんが「カストラートの声はおそらく僕の5倍くらいの声」とインタビューで答えていたので、どれだけの声かもう想像がつかない)
オペラ400年の歴史のうち前半の200年はカストラートの歴史で、今は上演出来ない演目が山ほどある。(カストラートがいなくなったから)
そのカストラートの声を聴きたかった。(無理だけど)
私はなぜか、男性の高い声が好きでカウンターテナー(裏声=ファルセットで歌う男性アルト歌手)のコンサートまでいったことがある。
現在は、天然にソプラノの声を持つ男性がいます。ソプラニスタ(男性ソプラノ歌手)です。
気づけば、日本にソプラニスタやカウンターテナーが何人も育っていたんですね。
(去勢の文化(宦官)を断じて受け入れなかった日本に、そういう才能が恵まれるのは何かの暗示だろうか?)
ソプラニスタでは、岡本知高さんが有名ですが、木村優一さんの声のほうが透明感があって『天使の歌声』だなぁという感じです。(岡本知高さんの声は、少しこもって妖しい感じ)
見た目は、テノールが似合いそう。(喉仏も、しっかりあるし)
でも歌いだすと・・・、〇△□!
カストラートに夢中になった18世紀の人々は、この軽いショック感(視覚と聴覚のズレ)に
病みつきになったんじゃないかと想像する。
(バロック時代のオペラ・セリア『正歌劇』で、カストラートの役どころは昔の英雄や王様など半分神様みたいな役を担当する)
(木村さんの歌う『オンブラ・マイ・フ』(ヘンデル)の動画があったんですが、探せなくなっていたのでこちらの動画で)
カストラートの本場は、イタリアのナポリ。この地を長らく支配していたのは、ハプスブルク家。なので、ハプスブルク家の皇帝たちは、実はカストラートのファンが多かった。
中でも熱心なファンだったのが、ヨーゼフ2世(マリー・アントワネットの長兄)。
(引退したファリネッリをわざわざ訪ねてゆくほど)
マリー・アントワネット
マリー・アントワネットがフランスに嫁いでガッカリしたことのひとつが、
フランスの音楽(オペラ)が案外に保守的でつまらないことだった。カストラートもいないし。
(音楽の都・ウィーンで最新の教育を受けた彼女から見ると)
マダム・ポンパドゥールなら、そんな感情はおくびにも出さないでしょうが、マリー・アントワネットは若くKYだった(笑)ので、
様子でわかり、彼女に対する反感のひとつの要因にもなっていった。(嗚呼)
あの女たらしのカサノヴァも、晩年は女よりカストラートの『追っかけ』をやっていたという。(笑)
(その気持ちは、何だかとてもよくわかる(笑))
嗚呼、コロラトゥーラ(ソプラノの超絶技巧)を歌えるソプラニスタが出てくれないものだろうか!
(ムチャいうな(;^_^A)
日本の誇る歌姫、田中彩子さんの超絶技巧のアリア。
コロラトゥーラとは高音の音を転がすようにして歌うソプラノの超絶技巧。世界的にも歌える人は限られる。
『夜の女王のアリア』(「復讐の心は地獄のようにわが胸に燃え」)(モーツァルト作曲『魔笛』より)は、
マリア・カラスが一番と思っていましたが、透明感のある田中さんの声もいいですなぁ。迫力には欠けるけど。
(M・カラスの声は女声にしては、《ドス》が効いている(笑)。なので、悪声と嫌う人も多い。
カストラートの歌声に一番近いのは、実はマリア・カラスかもしれない)
スリムで美貌で、こんな超絶技巧に恵まれた歌姫が日本から出るようになったんだなぁ、感無量。
W・A・モーツァルト
モーツァルトも『魔笛』は自信作と思っていたらしく、病床で最後に聞きたいと願ったのが、
『魔笛』だった。
(モーツァルトはフリーメイソンの会員だったのに、『魔笛』の舞台で、フリーメイソンの儀式をバラしちゃったから、〇されたとは良くいわれるところです)
(幼いモーツァルトがマリー・アントワネットに「僕のお嫁さんになって!」とプロポーズしたエピソードは有名ですが、なぜか二人とも30代半ばの不本意な死を迎えることになってしまいました)
モーツァルトの時代から、女性歌手も舞台に立てるようになり、オペラでは次第にカストラートの需要がなくなってゆく。
それでも、カストラートは教会音楽の分野で20世紀まで生き残った。
(YouTubeで探すと、最後のカストラート(アレッサンドロ・モレスキ)の歌声が聞けます。
もう声量が衰えた後の録音なので、「えっ」って感じですが。それでも男でも女でも子供の声でもない魔訶不思議な声を聴ける)
真に美しいものは、美の才能と、情熱と、贅沢と、(多大な)犠牲で出来ている。
去勢のリスクをとっても、歌唱の訓練は実に厳しく、ファリネッリのような一流のカストラートになれる者は限られていただろう。
それでも、なりたい者は(他者の都合でさせられる場合も含めて)後を絶たなかったという。
(作曲家のハイドンも少年の頃は美声で、カストラートになろうかと本気で悩んでいたほどだという)
その真実の痛み、胸が張り裂けそうになる。
本来は、人が聞いてはいけない《声》だったと思うとなおさらに。
『役不足』について、2つほど記事を書いたので・・・
この映画は『はまり役』で大ヒットした
ウーピー・ゴールドバーグという女優の存在なしには、この映画は成り立たなかったろう。
殺人現場を目撃した歌手のドロレスが、修道院にかくまわれるというありきたりのストーリーなのに、面白いのはやはりウーピー・ゴールドバーグの存在感ゆえ。
「アッと、驚くご面相」(失礼)のウーピーには、シスターの制服が死ぬほど似合わない(爆)。
この設定に、まず大笑いする。
ドロレスに対峙する超真面目な修道院長役には英国の名女優、マギー・スミス(『ダウントン・アビー』)。また、この配役がまたピッタリ!
2大女優の演技の掛け合いは実に魅力的だ。
音楽の場面も実に素敵。歌声は実は吹き替えだったそうだが、まったく分からない。よく出来てんなぁ。
讃美歌がまるで、イエスに対する《ラブソング》に聞こえる。(なので、邦題の『天使にラブソングを』(原題:Sister Act)は実に妙訳だった)
2作目も作られ、ミュージカルにもなった。リメイクの話もあるが、出来ないだろうなぁ、ウーピーがいないと。
(ウーピーは、現在、女優業よりMCの仕事がメインだそうで寂しい)
実は人の声は、最も人の心を癒してくれる。
(倍音声明(ばいおんしょうみょう)という瞑想法もあるので、興味のある方はググって見て下さい)
祝詞も、小声で良いので声に出して唱えると効果的。
(自分の声を自分で聞くと、またそれが脳への刺激になります)
そういう訳もあるのでカラオケやると、スッキリするでしょ。
なるべく前向きな歌詞の歌を選んで、歌って下さい。
悪しきものを祓いたまいて、常に正しきことを行わしたまえ
皆さまに Marry Christmas!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
皆さまがお幸せでありますように。
コメント
コメント一覧 (6)
コメントありがとうございます。
いえいえ、お役に立てて幸いです。
楽しんで、『開運』のコツを拾っていって下さい。
Eki-MAJO
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Eki-MAJO
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コメントありがとうございます。
「フィフス・エレメント」の歌姫の歌う場面、確かに似てるかも。これを参考にしたのかしら?
中野京子先生も「恐い絵」でカストラートを取り上げていましたね。
カストラート達は大モテでした。貴族の奥方にしてみれば妊娠の危険がないので。
ご主人公認の浮気みたいなものだったんでしょうね。
確かに《美声》の癒し効果はすごかったのかも。
成功したカストラートにとっては、貴族の暮らしに近づくことで身を持ち崩す者も多かった。
ファリネッリは、例外的に厳しく自身を持した人で歴史に名を残しました。
女性は声がいい人に弱いといいますが、それは声の癒し効果を本能的に知っているからです。
木村優一さんは、数年前に知ったんですけど、今年あたり留学から帰って来られてCDも出て。
これから活躍してほしい方です。
Eki-MAJO
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コメントありがとうございます。
>人間は命の危険と引き換えに声域をいただいた。
>声は不思議なもので骨格が似ていると声も似ている。
その通りで、日本人の骨格には、ソプラニスタやカウンターテナーがあっているような気がします。
声で体を震わせるのが、癒しになるのがわかってきました。
他人の歌うのや、しゃべるのを聞くのも脳への刺激になります。
落語や、講談など、《聞く》演芸を生み出した日本人の知恵は凄いものがありましたね。
Eki-MAJO
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このクライマックスシーンの舞台、どこかで見たと思ったら、ブルース・ウィルスが主演した「フィフス・エレメント」の異星人の歌姫が歌う場面に似ているではないですか!
(ネタバレになってしまうので多くは語れませんが、人ならぬものと犠牲の符号があるような…)
カストラートの詳細については、映画よりも、中野京子氏による「怖い絵」で知りましたが、彼らは、貴族の女性たちに非常にモテたそうですね。
女性とも男性ともつかない中性的な魅力は、人類の大いなる謎を知っているようなミステリアスささえ感じます。
男性機能が機能しないから、というのが理由と言われていますが、Eki-Majo様の言うように、声の美しさと不思議な魅力に惹かれたのだと思います。
実際に、声が素敵な男性は容貌がイマイチでも、魅力があるような気がします。
(ときどき、「イケメンではないけれど、女性が常にそばにいる人」という人は、声に魅力のある方なのでは?というのが私の持論。)
私の場合、自分の声が低めですから、高音の男性の声に惹かれることが多いです。(ですので、旦那も声が高め(笑))
今回のブログで、ソプラニスタの木村優一さんのことを初めて知りました。声の透明感と美しさにも圧倒されますが、歌う仕草も美しいですね。
Eki-MAJO
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声は不思議なもので骨格が似ていると声も似ている。骨を始め体を振るわせることにより出る声。何とも魅力的ですね。
Eki-MAJO
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